
【スカーレット・フォーム】
| 正式名称 | 緋色型戦闘服 |
| 属性 | 炎 |
| 装備箇所 | 全身 |
| 重量 | 無視 |
| 攻撃力 | 1000ギガ |
| 突き | よける |
| 斬り | ぬめる |
| 打撃 | おれる |
| 防御力 | 99 |
| 魔法力 | 暴れ出す |
| 射程 | B84 W57 H86 |
| 使用回数 | 漂白剤を使わなければいつまでも |
| かっこよさ | くびれてる |
| せつなさ | 絶対領域 |
| いやらしさ | 簡単に破ける |
| 特殊能力 | 身体能力が3倍になる |
| 発動条件 | 常時発動 |
取り扱い説明書
付属品である『ベータ・スティック』で変身することができます。
変身時の掛け声は「ジュワッ!」がオススメです。
変身時には多大なエネルギーを消費しますので、勝負服に使用する場合はエネルギー代をケチらないでください。
刻まれし記憶
その男の人生は平凡だった。
一生忘れることができないような出来事があったわけではないが、嬉しいことも悲しいこともたまに起こる。
親友と呼べる友人がいるわけではないが、誰か気まずい相手がいるわけでもない。
まるで規則正しく砂浜に打ち寄せる、海の小波のような人生だった。
男は常に、何かが物足りない気がしていた。
今までの人生を覆すような刺激的な出来事に出会いたい。
そう思いながらベランダの窓に顔を向け、仰向けに寝ていた男は、空と地上が逆になっている景色の中におかしなものを見る。
毎日見慣れているはずのその景色、全てが逆さまになっているその世界の中で女が一人、
男と目を合わせて何か言いたいような顔をして立っていた。
男が今まで生きてきた中で一番の驚きを感じていると、羽を背中に生やしている女は微笑みながら言葉を発した。
「あなたを魔法で幸せにするためにやってきました」
それが女の自己紹介だった。
混乱する男をよそに、何か欲しいものはないかと女が聞く。
半信半疑で前々から欲しいと思っていた本物の拳銃の名前を男が告げると、女は指を鳴らしただけで望みのものを取り出してみせた。
男は女の言うことを信じざる終えなくなった。
平凡だった人生から一変して、この世に何人いるかもわからない人生を手に入れたのだから。
欲しいものがあったり、困ったことが起きたりした時には、女に魔法で助けてもらう。
その生活に辛いことは一つもなく、毎日が幸せに包まれている。
男はそう思っていたし、女の笑顔さえあれば一人でも生きていけるようになったはずだった。
しかし欲しいものが何もなくなっても、物足りない心が癒されることはなかった。
むしろ前よりもひどくなり、男の顔はひどく痩せこけ、何をするにも気力が出ない。
男はいつの間にか死を考えている自分に気が付く。
男の体と心は憔悴していた。
その事実に不安を感じ慌てた男は、体を元気にしてもらおうと、久しぶりに女に願いを叶えてもらおうとした。
「……それだけはできないわ」
しかし黒い羽を生やした妖艶な女は空に浮かんだまま男の願いを聞き……
力を使うたびに願った者の命を削るので男を健康にはできないと、断った。
女が力を使うたびに、男の命が削れていっていたのである。
「お前かぁぁぁぁぁぁーーーーっ!」
混乱した男は衝動的に拳銃を取り出して、女に一発の銃弾を撃ち込んでいた。
撃たれた女は悲しそうな表情を見せ、黒い羽を広げながら倒れたと思うと、着ていた緋色の衣装を残して跡形もなく消えてしまった。
こうして刺激的だった男の人生は今までの平凡な人生に戻った。
男は今までとは違い、その平凡な人生に確かな幸福と満足感を感じている。
女の言葉通り、確かに魔法のおかげで男は幸せになったのだった。
そして、自分を見守ってくれていた女を失ったという一生忘れない悲しみも、男の心に残った。
