
【バインド・キャプチャー】
| 正式名称 | 二重拘束紐 |
| 属性 | コンクリフト |
| 装備箇所 | ナビ |
| 重量 | 缶詰 |
| 攻撃力 | 245 |
| バスト | 歪む |
| ウエスト | くい込む |
| ヒップ | 自由だー! |
| 防御力 | 7 |
| 魔法力 | 7 |
| 射程 | 7 |
| 使用回数 | 使い捨て |
| かっこよさ | 複雑 |
| せつなさ | 燻し銀 |
| いやらしさ | 命 |
| 特殊能力 | 使用者の思考通りに動く |
| 発動条件 | 考えるのではなく感じる |
取り扱い説明書
捕獲と拘束……その2つを同時にこなす優れ物。
使い捨てタイプですが、リサイクル製品なのでご使用後には指定のショップへお持ちください。
また、お客様から「蓋が開かない」などの苦情が寄せられることもありますが……
スイッチがついておりますので、力ずくではなくスイッチで蓋を開けられますようよろしくお願いします。
刻まれし記憶
賑やかな寂しさが溢れている。
普段は滅多に人を見かけないここも、今は浴衣を着た人達でいっぱいだ。
歩いている人達は両脇の出店に夢中になりながら歩き……
数分ごとに空に咲く花達を見上げては、夏の美しさを感じていようだ。
オレンジや黄色、緑。赤や青、紫などの虹のように多彩な色で夜空に花が咲く。
僕はその多彩な色の光に照らされながら、人混みの中を一人で歩いている。
この日にここへ来るのは二度目だった。
一度目は小学生のとき。
そのときは今のように一人ではなく、あの子が隣にいた。
人混みを抜け……木々が作る闇の中を抜けて社がある所まで歩いてくると、人がほとんどいなくなる。
いつもの遊び場が大勢の人で埋め尽くされていたあのときも、僕と彼女はここに避難した。
もういない彼女のことを考えながら、物思いにふける。
今では僕もあのときと随分変わってしまっていた。
「そこのお兄さん、ちょっと見ていかない?」
声が聞こえたほうを見ると、社の向かいにある木の横に出店があった。
さっきまでは何もなかったはずなのに、そこには女の人が屋台の中に一人立っていた。
「ちょっと不思議なものを売ってるのよ」
恐る恐る立ち上がって店に近づいていくと、女の人はそう言って一つの箱を持ち上げてみせた。
「これにはね、買った人の思い出を形にする力が入ってるの。
忘れたくない思い出や記憶を形にして、もう一度体験することができるのよ」
それはとても信じられる話ではなかった。
「まいどあり」
だが、気がつくと僕はその箱を一つ買っていた。
これに彼女にもう一度会うことができる可能性が少しでもあるのなら、それに賭けてみたい。
そう思って、僕は箱を開けた。
箱を開けると中から白い光が溢れて、一瞬目の前が真っ白になった。
玉手箱。そんな言葉が頭に浮かぶ。
でもあれは光じゃなくて煙だったなと思いながら、僕は光のせいでチカチカする目をこすっていた。
すると五、六回こすったときに信じられないものが視界に入った。
彼女だった。あのときと全く同じ姿で、彼女が僕の目の前に立っていた。
少し大きめの浴衣を着て不思議そうな顔で僕のことを見ている。
これは幻覚なのか。いや、幻覚でもいい。
またあのときのように二人で遊ぼう。
僕は彼女にもう一度出会えた喜びで胸がいっぱいになり、彼女の手を握って歩き出した。
社から、賑やかな出店がある所へ向かう。
今なら賑やかさも寂しくは感じない。
彼女との思い出をもう一度作るんだ。
だが、そこでまたしても僕に声をかけてくる人がいた。
人混みの中から声をかけてきた彼らは、二人組の警官だった。
「ちょっといいかな。なんだか震えてるけどその子あんたの娘? 最近子供を狙った犯罪が多くてね。少し話聞かせてもらえるかな?」
こうして、四十八歳の僕はお縄になった。
